老犬に消化の良い食べ物はなにがある?
消化不良で起こる嘔吐は典型的な症状のひとつです。
老化が進むと消化力が落ちてしまうため、うまく消化できなかったご飯を吐いてしまうケースがあります。
ご飯を工夫したり、栄養が豊富で消化のよい食事が必要になります。
- 老犬に消化のいい食べ物と栄養について
- 消化にいい老犬・シニア犬用のドッグフードが最適?
そこで今回は、老犬が消化不良を起こした時に与えていい食べ物と栄養効果とドーグフードで消化をよくする方法についてお伝えします。
老犬に消化のいい食べ物と栄養について
人間の体質にも胃腸が丈夫な人もいれば、胃腸が弱い人がいるように、消化にいい食べ物を与えても、犬によって消化力が異なります。
取り入れたい消化にいい食べ物とは、どういったものでしょうか?
いくら消化によくても、与えすぎは逆効果になるのでくれぐれも注意が必要です。
※今から紹介する食べ物はアレルギーを引き起こす可能があるため、アレルギーがある場合は与えないでください。
果物と野菜
リンゴ
リンゴに含まれる成分「りんご酸とクエン酸」は、有機酸の一種です。
この有機酸には、疲労回復・胃腸の働きを良くし殺菌作用の効果もあります。
また、シュウ酸カルシウム対策にも有効で、尿中に含むカルシウムに排出させる特徴を持っています。
消化によくお腹にやさしいリンゴは、食物繊維が豊富で善玉菌を増やすサポートをしながら、腸内環境の改善に効果的です。
皮にはポリフェノールが含まれていて、ガン予防・抗酸化作用があります。
リンゴの皮を食べても大丈夫ですが、与えたい場合、農薬物質やニスなどがついていることがあるため、よく水洗いしてください。
種に注意を!中毒性がある成分を含んでいて、胃の中で胃酸と反応すると毒を発生させ、最悪の場合、死に至る危険性があります。
種が残ったり混ざらないように、きれいに取り除きましょう。
すりおろした状態で与える方が、消化の負担を減らすことができますよ。
キャベツ
消化を助けてくれるビタミンU・カロテンという栄養素が含まれており、食物繊維は少なめではありますが、便通を整える働きがあります。
ビタミンUは、胃粘膜を保護して胃腸の吸収力や胃酸の分泌を抑える効果も期待できます。
ガン予防や疲労回復に役立つビタミンCと丈夫な骨を作るビタミンkも含まれています。
キャベツには、尿路結石の原因となる「シュウ酸」を含んでいることから、犬に与えるのはあまりよくない話しもあります。
シュウ酸を軽減するためにゆがいて、特に芯の部分に多く含まれていてまた、硬いところでもあるので、芯の部分は取り除き、柔らかい葉を与えることをおすすめします。
蒸して温野菜やミキサーでペースト状か細くみじん切りにすると消化不良の予防に繋がります。
白菜
95%が水分である白菜ですが、少量ずつの栄養(ビタミン・ミネラル・カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛など)がバランスよく含有されていています。
食物繊維が多く、腸の運動を促す働きで便通を応援します。
神経興奮の抑制と骨や歯の形成を助けるカルシウム、抗がん作用があるイソチオシアネートも含まれいます。
加熱すると柔らかくなるため、噛む力が弱くなった老犬も食べやすくなります。
水分補給にも最適なのと水に溶けやすい白菜の成分を残らず摂れるので、煮汁も一緒に加えてあげましょう。
白身の魚・お肉
鮭(サーモン)
鮭のオレンジ色の身から白身魚とは思えないですよね。エサとして食べているプランクトンに天然の色素が定着したことによるものです。
消化吸収によいタンパク質、魚の脂肪分EPA・DHAは消化しやすいため、老犬にも与えることができます。
また、血液サラサラをサポート、抗酸化作用のあるアスタキサンチンやビタミンE・カルシウムなどが含まれています。
血流を良くしてお腹を温める効果があり、食中毒予防のためにも、焼くか茹でて必ず加熱をしてから与えましょう。
塩分の取りすぎにならないように、塩鮭の場合、「水に長時間浸す・煮る」などでしっかりと塩分を抜いてあげてくださいね。
ささみ
免疫力を高める作用と胃腸の血行を改善して、体を温めて消化器官が弱っている老犬にささみはピッタリな食材です。
良質なタンパク質で知られているささみ、体のあらゆる臓器や筋肉や皮膚に必要なタンパク質は不可欠で、摂取しなければならない必須アミノ酸を含んでいます。
ビタミン(ナイアシン)とミネラル(セレン)が豊富で成分が高い割合で入っています。
ナイアシンは、ビタミンB群の一種で脳の神経伝達に欠かせない成分で、皮膚・粘膜の強化します。
セレンは、有害な物質を体の中から排除する酵素の主成分、ガンを抑制する作用があると言われています。
ささみは茹でてアクを丁寧に取り除き、 小さくさいてほぐします。 残った茹で汁は、スープにしたり、ご飯にかけてあげると犬が好む香りになり食欲増進効果も期待できます。
大豆製品
豆腐
大豆を加熱処理しているので食物繊維は減っていますが、色々な栄養素を豊富に含んでいます。
豆腐の消化吸収は極めて高く、胃腸にやさしい食べ物です。
植物性のタンパク質・イソフラボン・アミノ酸・コレステロールを抑制する不飽和脂肪酸や貧血の予防に効果があるモリブデン、骨と歯を丈夫にするカルシウムの栄養素があります。
その中でも、オリゴ糖は腸内にある善玉菌を栄養にして、排泄をスムーズにする働きを持ちます。
また、ビフィズス菌などの善玉菌の栄養源となり、菌を増やして腸内環境を整えます。
冷蔵庫から取り出してすぐに食べさせないで!
胃に負担もかかり、冷えたものは下痢の原因になります。
加熱し過ぎると火傷してしまうので、触って人肌程度を目安に温めましょう。
消化にいい老犬・シニア犬用のドッグフードが最適?
老犬・シニア犬を迎える時期は、小型犬と中型犬は7歳以降、大型犬は6歳以降とされていますが、老化のサインやスピードは個体差で時期が異なります。
年齢=老犬とは一概に言えないため、老犬になると現れてくる兆候と合わせて考えましょう。
老犬・シニア犬になると代謝自体が衰えるのに加えて、顎の噛む力が弱くなったり、食欲が落ちてきます。
食べたものを分解する胃腸である消化器官が衰えて、嘔吐・消化不良を起こしやすくなります。
消化を助けるために一工夫しよう
ドライタイプのドッグフードの場合は、消化しやすい状態にしてあげると、食べやすくもなります。
消化不良で胃腸の調子がよくない時は、乾燥した固形のドッグフードはお腹に入ると刺激になってしまうかもしれません。
ぬるま湯をかけて、ふやかしてあげると消化にかかる時間と胃腸への負担を減らせてあげることができます。
熱湯をかけて柔らかくすると、栄養素を台無しにしてしまうので注意しましょう。
茹でた野菜やささみなどの具材とゆで汁をかけるのもありです。
老犬・シニア犬用ドッグフードを正しく選ぶ
老犬・シニア犬に差し掛かったら、老犬用のドッグフードに切り替えることが大切です。
ひとくちに老犬用のドッグフードと言っても、さまざまな種類があります。
噛む力が弱くなる・歯や歯茎にトラブルが出てきたら、ドライタイプのドッグフードは柔らかく食べやすい工夫をする。※または、ウェットタイプに切り替えます。
大事なポイントは、「高たんぱく・低脂肪・低カロリー」で消化に良いものがいいでしょう。
良質なタンパク質を主原料としたドッグフードを選ぶ
老犬になってもタンパク質は重要で、筋力を落とさないためと骨を弱らせないために肉類が多めのドッグフードを選びましょう。
小麦やトウモロコシなどの配合量が少ないドッグフードを選ぶ
適量は必要な成分ですが、消化吸収は犬にとってあまりよくありません。
なので、穀物の配分がお肉より多いドッグフードは避けましょう。
穀物の中でも「さつまいも・えんどう豆」が入っているものは問題ないですよ。
免疫力強化と老化防止に魚やコンドロイチンを含んだドッグフードを選ぶ
認知症予防にもなり、免疫力が落ちると病気にかかるリスクが上がるため、魚が入ったドッグフードやご飯に魚をトッピングで補いましょう。
手作りのご飯で栄養補給
慣れているドッグフードに以外に手作りのご飯を用意するのも良案です。
バランスが大切だけれど、何か口に入れて栄養を補給させたい場合は、愛犬の好きなもので調理する方法もあります。
お粥や野菜を煮込んだものは柔らかく調理するため、消化によく胃腸に優しいです。
栄養素を継続的に与える
体の衰えは避けられないことは事実ですが、栄養素は成犬の時と変わりなく必要です。
ミネラルやビタミンを積極的に取り入れ、ビタミンが豊富な野菜や果物を食べることで予防できる病気もあります。
特にビタミンCの不足は、免疫力とコラーゲン不足が起こります。
骨折の原因になったり、関節にも影響が及ぶことも、ビタミンCを大量に摂取しては下痢になるので注意が必要できます。
お肉を主に、魚・野菜・果物・皮膚の乾燥対策に油分も取り入れ、体に必要な栄養素を摂取させましょう。
老犬になると食事の量が減るのはよくあることですが、急激に痩せたり、嘔吐する症状があれば、様子をみないで獣医師の診察を受けてください。
まとめ
消化不良を起こしている場合、犬に与えても問題がない消化によい食べ物を与えてましょう。
アレルギーと消化によいからと大量に摂取するのは注意が必要です。
愛犬が体調を崩した時は、消化によい食材を使いドッグフードにかけてあげ、ひと手間かけた美味しいご飯でお腹をいたわってあげてください。
老犬・シニア犬用のドッグフードは老犬に合った栄養素バランスを考えて設計されていますので、老犬に最適と言えます。
消化しやすいように、ウェットタイプや手作り食やドライタイヤをふやかしてあげる方法を取りましょう。